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茶目(虹彩)とそれに続く眼の内側にある組織(毛様体と脈絡膜)を総称してぶどう膜といいます。 ぶどうのような色・形をしているのでこう呼ばれています。 このぶどう膜やその周囲の組織に炎症が生じる状態をぶどう膜炎といいます。
いろんな原因でぶどう膜炎がおこります。 感染(ウイルス、真菌、寄生虫など)、免疫異常、全身疾患などが原因となります。 原因には地域性がみられ、南九州では他の地域に比べてベーチェット病 という全身疾患によるぶどう膜炎が少なく、HTLV-1 というウイルスが関連するぶどう膜炎が多いです。 30−40%は原因を特定できません。
充血、ちいさな点々が飛んで見える(飛蚊症)、かすむ、まぶしいなどの症状がみられます。 ぶどう膜のどの部分に炎症があるかで、症状がかわってきます。
眼の検査はもちろんですが、ぶどう膜炎の原因を調べるために全身検査(血液検査や胸部X線検査など)が必要になります。 時には、眼の中の液体を採取して調べることが必要になることもあります。
原因や炎症の部位によって治療法がかわりますが、中心となるのはステロイドという炎症を抑える薬です。
まず点眼治療をして、効果が不十分な場合は眼のまわりに薬を注射したり、内服したりします。
感染が原因の場合は原因となっている微生物に効果のある薬による治療も必要です。
茶目(虹彩)に炎症がある場合は後ろにある水晶体と癒着しやすいので、それを防止するために瞳をひらかせる点眼もつける必要があります。
ぶどう膜炎の原因によっては、治療しても慢性に経過したり、治療でいったん治っても再発を繰り返したりします。
自覚症状がなくなったからといって、自己判断で治療を中断すると、炎症がぶりかえしたり、
いつの間にか合併症(緑内障、白内障)を生じていたりしますので、かならず定期検査をうけましょう。